池山水源

やまなみハイウェイの瀬の本高原からやや南に外れた熊本県阿蘇郡産山村にある湧水が池山水源で、環境省指定の名水百選のひとつ。別府湾へと注ぐ一級河川、大野川水系の玉来川（たまらいがわ）の水源で、毎分30tの水が湧き出し、水温は年間を通じて13.5度と一定。阿蘇ユネスコジオパークの池山・山吹ジオサイトになっています。

樹齢200年ほどの森に囲まれた名水百選の湧水

硬度は26mgの軟水で料理に最適とあって遠方から汲みに来る人も多いのが特長。
コーヒーには軟水がいちばん合うと考えるコーヒー専門店も多く、コーヒーファンにも人気の給水地、そして周辺の森は巨木に苔が茂り、カメラマンにも人気のスポットとなっています。

阿蘇山周辺は全国有数の多雨地帯で、池山水源周辺は、阿蘇火砕流堆積物の中を通った地下水が湧出するエリアです。
阿蘇カルデラの形成前（27万年前から9万年前）、計4回の大噴火が起こり、噴出した大量の軽石や火山灰は阿蘇火砕流堆積物（溶結凝灰岩やシラス状）として広く堆積しているのです。
この火砕流堆積物の亀裂（クラック）部に大量の地下水を貯留され、それが噴き出しているのが湧水です。
周囲の森は、その水源を涵養（かんよう）しているわけなのです。

熊本県で環境省の名水百選に選定されるのは、池山水源（産山村）のほか、白川水源（南阿蘇村）、菊池水源（菊池市）、轟水源（宇土市）の合計4ヶ所です。
県内には1000ヶ所以上の湧水がありますが、池山水源はその代表格です。

轟水源（轟泉自然公園）

熊本県宇土市宮庄町にある環境省の名水百選に選定される湧水が、轟水源（とどろきすいげん）。1日3000tもの湧出量を誇り、一帯は轟泉自然公園として整備されています。周辺には熊本藩の支藩・宇土藩12代藩主・細川則立の隠居所「轟御殿」跡、轟泉資料

山吹水源

熊本県阿蘇郡産山村、日本の棚田百選、そして文化庁の重要文化的景観にも選定される扇棚田（おおぎたなだ）の水源となるのが山吹水源。7万年前の九重火山群の火砕流によって生み出された台地から毎分30トンほど湧き出す水で、1300m下にある扇棚田へは